名馬の見分け方

中国の馬を見分ける名人の伯楽(ハクラク)は、大切な人には、「駄馬の見分け方」を、そうでない人には「名馬の見分け方」を教えたそうです。

駄馬とは言うまでもなく、ダメな役に立たない馬のことで、名馬と言うのは、丈夫で足が速いなど、非常に高い価値の馬のことです。

虚栄心

一見、逆じゃないかと思うかもしれませんが、伯楽いわく、
名馬は、滅多に出会えないので、「名馬の見分け方」は、非実用的な知識であると考え、自分を利用しようと集まる者には「名馬鑑定法」を教えました。
つまり、実は全く使えない無駄な知識を教えておいて、有名な名人に教わったと優越感に浸っておけと言う皮肉だったわけです。

実際に役立つ学問

反対に、自分が大切に思う人には、馬で失敗しないためには、世の中の多くの馬の中から、とにかく悪い馬を買わないように「駄馬の見分け方」を教えました。
つまり、平凡で基礎的な知識を教え、少しずつでも利益を生み出す「実学」こそ、重要だと言う意味だったわけです。

これが立派な大学を卒業した社会人が、もっと学生時代に勉強しておけばよかったと言う理由かもしれませんね。